
シュロスバーグの理論はキャリアカウンセリングで支援する際に非常にわかりやすく、自身のキャリアを開発するのにも役立ちます。
コラムではトランジションや4Sなど主要な理論と、実際に活用できるように具体例を交えてわかりやすく説明しています。
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【現役キャリアコンサル解説】シュロスバーグの理論〜トランジション
シュロスバーグの理論はキャリアコンサルタントの試験でも頻出です。それだけ重要かつ注目を集めているため、より深い理解が求められています。
コラムを通じてキャリア開発に役立てましょう。
1. ナンシー・シュロスバーグ(Nancy Schlossberg)の理論とは
Nancy Schlossberg氏(引用:2020 APA Books Blog)
発達段階とは、年齢による区別・認識だけではなく、その人に起こる出来事(転機)によって定義されるとしています。
たとえば、ある人が30歳であっても40歳であっても離婚や引退を控えているとすると彼らの年齢よりもその出来事によって左右されることのほうが重要と考えているということです。
その上で自分の身に起こったことをどのように捉えるのか、対処するのかを考えそれによって成長すると考えています。
2. トランジションとは
トランジションとは”移り変わり”のことで、キャリアにおける転換期を指します。
この転換期をどのように乗り越えるかによって、後に歩むキャリアに大きく影響を与えるとしています。
3. イベントとは
成人の様々な人生上の出来事をトランジションとし、人生において何が起こるのかを探索し、理解し、対処できるようになるということです。
そのために自分の身に起こる出来事の3つの捉え方を考えます。自分の身に起こったことをどう捉えるかという観点で
- 予期していた転機
- 予期していなかった転機
- 予期していたものが起こらなかった転機
と分類されています。自分自身に起こったことの背景や重要度は人によってことなるためそれをちゃんと認識することで次の資源の把握と活用がうまくいきます。
3.1 予期していた転機
言葉の通り予期していた通りに転機が起こった場合です。
3.2 予期していなかった転機
予想していたものではない転機が起こった場合です。
3.3 予期していなかったものが起こらなかった転機
予期していたのにも関わらず、それが起こらなかった場合です。
4. “4つのS”とは
トランジションを乗り越えるには、4つのSが重要な役割になります。
この4つのSとは、Sから始まるキーワードを表しています。
- Situation(状況)
- Self(自己)
- Support(周囲の援助)
- Strategies(戦略)
これらそれぞれの内奥を吟味することで対処することができる資源と脆弱な資源を整理し転機を乗り越えることができるとされています。
これを整理し活用することで転機を対処し次のステップに進むとされています。
シュロスバーグの考え方だと、就職や転職など自分に直面した出来事をまずどのように捉えているのか、そしてそれを乗り越えるために自分はどのように認識していて解決するための資源はどのようにあるのかと考えるということです。
そのように考えることによって、就活や転職という大きなイベントを自分だけで解決するとなるとかなり負荷がかかりますがポジティブに解決することができる可能性も十分に出てきます。
4.1 Situation(状況)
引き金やタイミング、自分でコントロールできるかどうか、役割変化、期間、同様の経験有無、アセスメント(捉え方が前向きか後ろ向き、都合が良い)
4.2 Self(自己)
社会的な地位、性、年齢、健康状態、民族性、字が発達、自己効力感、価値観、精神性
4.3 Support(周囲の援助)
転機を周囲が肯定的に捉えているかどうか、周囲の援助を受けられるかどうか、配偶者・パートナー・家族・友人の有無、周囲の援助をプラスに捉えられるかどうか、転機が原因で起こる負の事象はあるか(離婚など)
4.4 Strategies(戦略)
複数の戦略があるかどうか、転機をコントロールしようとしているか
5. 4Sを強化し納得感あるキャリアを歩む
資源(4つのS)をより充実させることで、新たなことへのチャレンジができるようになります。
今まで乗り越えられなかったことを克服したり、スキルアップに繋がります。
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