キャリア理論

ジェラットの意思決定キャリア理論とは◆現役キャリアコンサルが解説

ハリィ・ジェラット

ジェラットのキャリア理論では、職業選択などの意思決定が理論的に説明されています。

しかし、積極的不確実性など理論が複雑でイメージが湧かない方も多いのではないでしょうか。

誰でも簡単に自身のキャリアに落とし込めるよう理論をシェアいたします。

ハリィ・ジェラット(Harry Gelatt)のキャリア理論とは◆現役キャリアコンサルが解説

Harry Gelatt氏(出典:WordPress Blog)

ジェラットはキャリアにおける意思決定にフォーカスしてキャリア理論を説いています。

この意思決定理論ですが、研究の方向性を大きく変えています。生きている中で社会が大きく変わったことにより、現代社会にフィットした理論が後期理論とされています。それ以前の理論は前期理論として紹介されています。

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1. 前期理論

前期理論

合理的な意思決定モデルとして論理的な方法があります。

しかしこの理論の活用する場面としては、経営者などの重要意思決定に使われることを想定しているため日常的な決断に応用することがハードルが高いです。

後に後期理論が提唱される前の前期理論でも、3つのアップデートをし確かな意思決定をする理論提唱をしています。

  1. 予測システムと価値システム
  2. 探索的決定・最終的決定
  3. 連続的意思決定プロセス

それでは各前期理論をより詳細に確認しましょう。

1.1 予測システムと価値システム

まず意思決定をすること・目標を明確にし、その決定をするために必要なデータを収集します。

そして目標である意思決定ができるように、下記3つのステップを当てはめます。

  1. 予測システム:選択肢それぞれがもたらす結果の起こりうる可能性を判断
  2. 価値システム:各選択肢の結果の好ましさを評価
  3. 決定基準:価値システムによって評価された選択肢の中で、適切なものを選択する

このステップで意思決定をすると、最適な選択をできるとされていましたが、ジェラットはより客観的な意思決定をするために”主観的可能性”の懸念を払拭しています。

1.1.1 主観的可能性

上記のステップの価値システムにおいて、興味があることを良く評価してしまうという懸念があります。つまり自分が興味を持っていることが、主観的に選択される可能性が高いということです。

そのため客観的なデータを用いて判断することが必要とされています。これによって主観に縛られずに意思決定することにつながります。これによって感情的に”ハードルが高い・不可能”と考えていたことも、意思決定の選択として含まれる可能性が高くなります。

1.2 探索的決定・最終的決定

決定基準に則って意思を決定するプロセスを2つに分け、探索的決定と最終的決定としています。

継続的に模索・選択に取り組むことで、最終的にキャリアの選択を行っていきます。

  • 探索的決定:確定するまでに行う意思決定
  • 最終的決定:キャリアを確定する際の決定

そしてこの決定プロセスをアップデートしたのが、連続的意思決定です。

1.3 連続的意思決定プロセス

キャリアの選択などの意思決定は、一つ一つ行うのではなく複数かつ連続に行います。この複数かつ連続的な意思決定を、スムーズに探索的決定から最終的決定への過程として”連続的意思決定プロセス”が考えられました。

そしてこの意思決定を行うために手順が”ガイダンス”として示されています。

1.3.1 ”ガイダンス”とは

ガイダンスとは連続的意思決定をするための手順が明確されてたものです。

このガイダンスに従ってキャリア支援をすることで、カウンセラーはクライアントがどのプロセスでつまづいているのか正しく把握することができます。

  1. 情報収集
  2. 意思決定のタイミングを設定
  3. 陥りやすい誤りに注意
    1. inability:必ずしも正確に選択肢を評価できない
    2. lack:選択肢には漏れが出てしまう
    3. known - selection perception:知っていることしか選択肢として浮かばない
  4. 意思決定をすることで目的達成に向かって行動することができ、この意思決定が最も重要である
  5. 連続的意思決定のプロセス理解する
    1. 全ての選択肢
    2. 十分な情報を得る
    3. 情報の関連性と信頼性を検討
    4. 価値システムから、それぞれの結果を評価
  6. ガイダンスを実行したことで、意思決定の納得感や行動に移せたかどうかを評価する

前期理論では合理的(主観的でない)な意思決定のためのプロセスの研究でしたが、時代に合わせた非合理的な意思決定も必要になります。非合理的な意思決定について研究されているのが、後期理論の積極的不確実性です。

2. 後期理論〜積極的不確実性

後期理論〜積極的不確実性

前期の合理的な意思決定とは対照的に、”積極的不確実性”は直感や非合理的な社会の不確実さを積極的に受け入れ意思決定することが唱えられています。

この積極的不確実性の大きな特徴として、下記2点が挙げられます。

  • 情報は限られており、変化し、主観的に認知されたもの(主観的可能性)
  • 意思決定は、目標に近づくと同時に、目標を創造する過程(探索的決定)

また、最終的な意思決定をするために3つのポイントを抑えることで、納得感あるキャリア選択に役立てることができます。

2.1 情報

意思決定するために情報は必要ですが、自分が知っている情報が必ずしも正しいが決めつけないことが必要です。

変化が激しいVUCA時代では、今日正しいとされていた情報が明日正しいとは限りません。また、全ての情報を知ることはできず、自分が知っている情報は氷山の一角であると認識することで新たな情報にオープンマインドになれます。

2.2 調整・再調整のプロセス

ゴールを設定し目的・目標を明確にする前期理論とは対照に、定性的な”夢や情熱”を大切にし現実とのバランスを意識し調整していきます。

合理的な意思決定をすると、魅力的に感じずモチベーションが上がらない目標設定をしてしまうこともあります。それを避けるために、バランスを意識して調整・再調整し目標設定をします。

2.3 選択

前期のようなシステマチックな論理的意思決定だけでなく、直感的で創造性を使った選択が重要とされています。

まとめ:キャリアも氷山の一角

キャリアとして「他人が認識するもの」や「自分が認識しているもの」は、ごく一部で氷山の一角と同じようです。
必ずしも努力したことが全て結果に繋がるわけではないですが、積極的不確実性を理解することでキャリアの捉え方も変わるのではないでしょうか。

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