こんな方におすすめ
- 400文字以内でエントリーシートをまとめられる自信がない
- 文章を論理的に組み立てるポイントが知りたい
- どう考えて文章を書けばいいか分からない
「エントリーシートを400文字以内で分かりやすくまとめられる自信がない」と悩んだことはありませんか?
たしかに就活でいきなり文章で自己PRやガクチカをまとめるとなると、うまく伝えられるか不安になりますよね。
ネットで検索しても自分のエントリーシートが正しく書けているか分からず、より悩んでしまう人もいると思います。
ですが、一文目から何を考えて文章を書けばいいかポイントを知れば、誰でもろ論理的に分かりやすくエントリーシートが書けるようになります。
ここでは大手人材会社でコーディネータとして紹介実績1000名以上、添削実績100名以上のキャリアコンサルタント なべけん が、実際に文章指導した学生のESを使って文章の組み立て方を解説いたします。
なお、掲載についてご本人から了承を頂いております。
指導前のエントリーシートを添削していくような形式で詳しく解説いたします。
添削前のガクチカの具体例
スターバックスでのアルバイトでフードチームのリーダーとして、従業員の意識改革と接客スキル向上を行ったことです。
私の店舗では、従業員のフードに対する興味や知識が浅くお客様に商品の魅力を伝えることができないという課題がありました。
そこで、3点施策を考えました。
まず、従業員向けの試食会を開催しました。実際にフードを食べ、味や魅力を共有し、商品を知る機会を作りました。
2点目に、より多くのお客様にフードをおすすめした従業員を表彰する制度を設けました。表彰制度により、従業員が自発的にお客様にフードをお勧めするようになりました。
3点目に、フードの期限テストを実施しました。従業員自身に、期限を管理することの重要性を伝え、お客様の安全を考えることで、期限事故を防ぐだけでなく店内環境の向上にもつなげていきました。
結果、従業員の接客に対するモチベーション向上に繋がり、店舗の売上向上にも貢献することができました。
この記事を読むと誰でも簡単に、順を追うだけで一文ずつエントリーシートを組み立てることができます。
キャリアチケットスカウトを使えば、決められた質問に回答していくだけで自己PRとガクチカを簡単に作成できますよ。
他己分析の依頼もアプリから簡単にできるので、就活生におすすめです!
【1文目】エントリーシートでまず意識する3つのこと
実はエントリーシートでは第1文は最も重要です。
企業の採用担当者は多忙な中で選考を行うため、1文目しか印象に残らないのが正直なところです。印象に残る第1文目を書くためには、3つのことを意識しましょう。
1文目の重要ポイント
- きちんとエントリーシートの質問に答える
- 結論ファーストで伝えたいことを書く
- 1文目で結果は基本的に書かない
きちんとエントリーシートの質問に答える
とても基本的なことですが、50%以上の学生がエントリーシートで質問に答えられていないです。るまり基本的なことを意識するだけでも選考通過率がアップが狙えます。
では、どのような間違いが多いのか、ガクチカを具体例に見てみましょう。
ガクチカの質問とは
ガクチカとは「学生時代に最も力を入れたことは何か」という質問をされていますよね。
実は、指導した学生の90%以上がガクチカの質問に答えられていませんでした。ガクチカでは2つのポイントを意識する必要があります。
ガクチカの2つのポイント
- 「最も」なので書くことは1つのみ
- 「力を入れたこと」なので結果ではない
はじめに紹介した指導前のエントリーシートでも、取り組んだことを2つ書いてしまっているため質問に答えられていないことになります。
指導前のエントリーシート
スターバックスでのアルバイトでフードチームのリーダーとして、従業員の意識改革と接客スキル向上を行ったことです。
400字以内と限られた文字数でまとめるエントリーシートで2つのことを書くと、内容がかなり浅くなってしまうので選考落ちになってしまうのです。
結論ファーストで伝えたいことを書く
聞いたことがある人も多いと思いますが、エントリーシートは「結論を最初に書く」ことが求められています。
ちなみに「結論」とはどういう意味かみなさんは説明できますか?先に答えをお伝えすると「自分が言いたいこと」が結論です。
なので、1文目で自分が言いたいことが書けているか確認をしてみましょう。
このように伝えると「簡単」と思うかもしれませんが、ほとんどの学生は「自分が言いたいこと」をちゃんと把握できていないのです。その典型的な例として、1文目に「結果」を書いてしまっているパターンがあります。
実はエントリーシートでは、第一文目に結果を書くことはほとんどありません。
1文目で結果は基本的に書かない
エントリーシートで結果が求められるときの質問は、「最も大きな成果は何ですか」や「力を入れた結果はどうなりましたか」などです。
そのため、たとえばガクチカで「〇〇をした結果チームを優勝に導くことができました」はNGということです。
結果ではなくプロセスを書こう
結果も言いたいことの1つだと思いますが、本当に伝えたいことは何かもう一度考えてみてください。「優勝するためにこれだけ頑張った!」などの頑張ったプロセスの方が伝えたいのではないでしょうか?
わたしが指導した学生のエントリーシートも3つのポイントを意識して、1文目はこのように書き換えられました。
◇エントリーシートの1文目
【Before】スターバックスでのアルバイトでフードチームのリーダーとして、従業員の意識改革と接客スキル向上を行ったことです。
【After】フードチームのリーダーとして、接客スキル向上を図ることです。
修正のポイント
- プロセスフォーカス:「図ることです」
- 「最も」に答えるため絞る:「接客スキル向上」
- 言いたいことを明確化:「フードチームのリーダーとして」
ポイント
- きちんとエントリーシートの質問に答える
- 結論ファーストで伝えたいことを書く
- 1文目で結果は基本的に書かない

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例文あり|成果がなくガクチカ書けないは間違い!失敗しない就活ポイントをプロ解説
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【2文目】を書くときの3つのステップ
2文目を考えるステップ
- 1文目に対する採用担当者の質問を考える
- 考えた質問の優先順位を考える
- 採用担当者の質問に答える
1文目に対する採用担当者の質問を考える
実は、文章の組み立て方は会話と一緒なのです。1文目に対する質問へ答えていくと、分かりやすく文章を組み立てることができます。
では、エントリーシートの例を使って質問を見てみましょう。
「フードチームのリーダーとして、接客スキル向上を図ることです」への質問
紹介したエントリーシートの1文目に対する質問を考えてみると、このようなことが挙げられます。このときに5W1Hを意識すると、スムーズに質問が思いつくので意識してみてください。
質問リスト
- フードチームのリーダーとして何をしたか(What)
- 接客スキルとは(What)
- どれくらいスキル向上させる(How)
- スキル向上を図るために何をする(What)
- なぜ接客スキル向上に取り組んだか(Why)
- スキル向上してどうなったか
このように質問をリストアップした次は、どの質問に答えるか優先度を考えていきます。
質問に答える優先順位を考える
これらの質問は採用担当者も気になることなので、400字以内のエントリーシートでも全て答えなければなりません。しかし一度に全ての質問へ答えることはできないので、優先順位の高い質問を把握し答える必要があります。
エントリーシートでは、そもそも何でそれに取り組んだのかである「なぜ接客スキル向上に取り組んだか(Why)」が最も気になる質問になりますね。
このように2文目では背景や根拠が気になることが多いので覚えておきましょう。
採用担当者の質問に答える
質問の優先度が分かったところで、2文目で質問に答えていきます。エントリーシートでは、このように2文目も書き換えられています。
◇エントリーシートの二文目
第二文:私の店舗では、従業員の半数以上がフードに関する資料を見ておらず、お客様に商品の魅力を伝えることができないという課題がありました。
・なぜ接客スキル向上に取り組んだか(Why):従業員の半数以上がフードに関する資料を見ていない課題解決のために
・接客スキルとは(What):お客様に商品の魅力を伝える
最も気になる質問にきちんと答えられています。また、文字数に余裕があるため「接客スキル」も説明されており読み手がイメージを湧きやすくなっていますね。
ポイント
- 1文目に対する採用担当者の質問を考える
- 考えた質問の優先順位を考える
- 採用担当者の質問に答える
【3文目】を書くときの3つのステップ
実は2文目まで書ければ、3文目からは同じステップで文章を組み立てていきます。
3文目を考えるステップ
- 2文目に対する採用担当者の質問を考える
- 1文目と2文目の質問の優先順位を考える
- 採用担当者の質問に答える
2文目に対する採用担当者の質問を考える
1文目の質問リスト
- フードに関する資料とは
- なぜ資料を見ていないのか
- 商品の魅力とは
1文目と2文目の質問の優先順位を考える
3文目で答える質問を考えるときは、1文目で考えた質問の残ったものを含めて優先順位付けをしていきます。
1文目の残りの質問
- フードチームのリーダーとして何をしたか(What)
- どれくらいスキル向上させる(How)
- スキル向上を図るために何をする(What)
- スキル向上してどうなったか
この中で、最も気になる質問は「フードに関する資料とは」です。第一文目の読み手が知りたいことの回答が不完全なので、第一文目に答える意味合いで先に回答します。
採用担当者の質問に答える
◇エントリーシートの3文目
新商品が多い時では1か月15種類以上あり、5,000文字を超える説明資料すべてに目を通すことは時間がかかります。
・フードに関する資料とは:15種類以上あり、5,000文字を超える説明資料
・なぜ資料をみていないのか:時間がかかるため
このように数字を使って説明がされていると、イメージが湧きやすいですね。
ポイント
- 1文目と2文目の質問の優先順位を考える
- 数字を使って書く
【4文目以降】エントリーシートに書く結果と成果
今まで確認した質問・回答を繰り返すと、簡単に文章を組み立てることができるのです。そして、取り組んだ結果や成果について書けばエントリーシートは完成です。
4文目以降のポイント
- 質問を繰り返した後に結果を書く
- 成果がある人は結果の後に書く
質問を繰り返した後に結果を書く
結果と聞くと、プラスのことしか書いてはいけないと思うかもしれません。ですが、エントリーシートではマイナスのことでも全く問題ありません。
ご紹介したエントリーシートでも取り組んだことが結果として現れていますね。
◇エントリーシートの結果(5文目)
これによりその商品がどのような味で、どのコーヒーと相性がいいかなどをみんなで考え感想を共有することで、従業員がしっかりと味を伝えられるようになりました。
成果がある人は結果の後に書く
エントリーシートでは、結果まで書かれていればOKです。
もし取り組んだ結果、プラスの成果が出ているのであれば併せて書くとより説得力が増します。このエントリーシートでも成果が出ているため、6文目で書かれていますね。
◇エントリーシートの成果(6文目)
結果、従業員の接客に対するモチベーション向上に繋がり、店舗の売上向上にも貢献することができました。
少し残念なのが、アップした売上額が定量的に(数字で)書かれていないことです。ただ、学生のアルバイトでは売上額の開示がされないこともあるので、「社員から言われた」などの事実があればエントリーシートに書いてもOKです。
ポイント
- 質問を繰り返した後に結果を書く
- 成果がある人は結果の後に書く
【最終文】エントリーシートのよくある間違いと対策
結果・成果まで書くと400字程度になるため、ここまででOKです。
最終文のポイント
- まとめや結論は書かない
- 経験を通じて何を学んだか考える
400文字のESでは最後にまとめ・結論は書かない
起承転結の文章の書き方を学んでいるので、つい最後にまとめを書きたくなってしまいますよね。ですが、1文目で結論を書いているので、改めて結論を書く必要はありません。
もし文字数に余裕があるのであれば、次に紹介する「学び」について書いてみましょう。
400字に余裕があるときは「学び」について書く
字数に余裕がある場合は、経験を通じた学びについて言及できるとベストです。
仮に全く同じ経験をしていたとしても、その経験から学ぶことは、その人の価値観によって異なります。つまり自分の見方・考え方をアピールすることに繋がります。
◇エントリーシートの7文目
この経験から課題を明らかにし問題解決に向かう行動力の大切さを学びました。
たとえば、私が全く同じ経験をしていたとしたら、感じる学びは下記のようになります。
◇個人的な学び:問題そのものを解決せずとも、課題の解決することはできるということを学びました。
当初は「資料を見ない」ことが問題として取り上げられていました。Kさんは試食会を実施することで、資料を読まなくても良い施策を実施しました。
結局、資料は読んでいないものの当初の課題を解決できたことは非常に面白いと思ったため、私の学びはこのようになりました。
正解はなく、シンプルに自分が感じたことを言語化できると良いですね。
ポイント
- まとめや結論は書かない
- 経験を通じて何を学んだか考える
まとめ:質問と回答を繰り返して読みやすいESを書く
いかがでしょうか。
一文ずつ文章の組み立て方を紹介したので、以前よりもイメージが湧きやすくなったのではないでしょうか。あらためてポイントをご紹介いたします。
- 1文目ではきちんと質問に答える
- 質問を考えて答えればエントリーシートは書ける
- 数字を使って書くとイメージが湧きやすい
- 最後にまとめや結論は要らない
ぜひ何度も読み込んで、内定獲得できるエントリーシートを書ける文章力を身に着けましょう!
添削後のエントリーシート
学生時代に最も力を入れたことは、フードチームのリーダーとして接客スキル向上を図ることです。
私の店舗では、従業員の半数以上がフードに関する資料を見ておらず、お客様に商品の魅力を伝えることができないという課題がありました。新商品が多い時では1か月15種類以上あり、5,000文字を超える説明資料すべてに目を通すことは時間がかかります。
そこで、従業員向けに次のプロモーションから出る新しいフードの試食会を開催しました。これによりその商品がどのような味で、どのコーヒーと相性がいいかなどをみんなで考え感想を共有することで、従業員がしっかりと味を伝えられるようになりました。
結果、従業員の接客に対するモチベーション向上に繋がり、店舗の売上向上にも貢献することができました。
この経験から課題を明らかにし問題解決に向かう行動力の大切さを学びました。